別ブログもやっております! 50年間の役目を終えた「長岡市厚生会館」! その静かなる有終の日々…
「MOANIN' 長岡市厚生会館」

Wednesday, April 08, 2015

『あたたかな雪』新潟展 閉幕しました。
そして上越高田へ巡回します。







4月4日~6日に開催された新潟展示が閉幕しました。
会場IMAGEにぐるりと緑色の帯をまわし、雪景色のスケッチをずらっと展示してみたい、というのが、新潟展でやりたかったことです。

あわせて設計案「ワールドヘッドオフィス・C」や、スケッチでルポルタージュをした初期作品も展示しました。

IMAGEさんには、天気の良い土曜日に、「オオハタコーヒー」さんが屋外出張コーヒーを淹れに来てくださいました。
土曜の夜にはIMAGE常連さんが集まりパーティを開いていただきました。
また、長岡市小国和紙を使った作家「オリガミデザイン」さんが、あたたかな雪の建物をモチーフにしたおうちライトを作ってくださいました。

晴れの日も雨の日もありましたが、公園に面したIMAGEはそれぞれの天候で光や光景が美しかったです。
足元の悪い日であってもわざわざ多くの方にご来場いただきました。とても実りある三日間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。そして今回このような場所を実現させていただいた、IMAGEさんに感謝いたします。

…さて、展示はいよいよ最後の巡回地に向かいます。
4月24日(金)~26日(日)
上越市高田の、町家交流館「高田小町」ギャラリー蔵 にてスケッチを展示します。
(上越市本町6-3-4 tel 025-526-8103)
今回は高田ふくめ県内の雪景色スケッチと、春の高田のスケッチを、半々くらいで展示構成できればと思っています。
24日は13:00~18:00、25・26日は10:00~18:00です。楽しみにしていただければと思います。

Tuesday, April 07, 2015

『ワールドヘッドオフィス・C』



『ワールドヘッドオフィス・C』
SOHOカップルのための、仕事場を併設した小住宅の計画案です。

約20坪の平屋で、玄関に連続して応接のための土間スペースと、小さな縁側があります。

そして二人それぞれの仕事場があります。大きな机から高窓の光が見える作業スペースと、少しおこもり感のある落ち着いた作業スペースです。背が高めの書棚で視線はさえぎりますが気配はつながっています。

Tuesday, March 31, 2015

第一期閉幕
第二期・新潟展示へ向けて 『あたたかな雪』



柏崎での展示が閉幕しました。たくさんの方に来ていただき、展示も楽しんでいただいたようです。

会場協力してくださった、古道具のcoil 4さん。
お店の商品と空間には、わたしのスケッチが紛れ込むのを受け入れてくれる広い度量と、受け入れてなおゆるがない芯のしなやかな強さがありました。この世界に触れることができたのが、個人的な大きな収穫でした。
古道具たちとわたしの水彩スケッチの相性もふしぎと良く、ほっとしました。

ありがとうございました。

展示は第二期・新潟へと巡回します。
次の週末、4月4日(土)・5日(日)・6日(月)と、フリースペースの atelier IMAGE(イマージュ)を舞台として展示します。

(各日10:00-18:00 新潟市中央区西堀通5番町848-1)

柏崎とはまた雰囲気の違う展示にできればと思っていますので、ぜひお楽しみに…。

Wednesday, March 25, 2015

『あたたかな雪』展 第一期(coil4)
開幕の準備、ととのいました。





展示の準備がととのいました。

野田英世スケッチ展
『あたたかな雪』第一期展示

会場 古道具 coil 4(新潟県柏崎市穂波町9-20)
tel 080-4735-2223 http://blog.goo.ne.jp/coil4
2015年3月25日(水)~30日(月)
11:00~18:00

…時を越えたかのようなたたずまいのcoil4の空間と、古道具
そのなかに、わたしのスケッチを「すべりこませてみたい」というのが、第一期展示で実現したかったことです。
わたしとcoil4店主とでアイディアを生み出しながら、この期間しか存在しない展示空間をしつらえました。ご高覧いただければうれしいです。

Monday, March 23, 2015

野田英世スケッチ作品展
『あたたかな雪』のお知らせ



2014年末から2015年にかけての冬に、「雪景色と家のスケッチ」を描きためました。
それらを中心とした作品展になる予定です。新潟県内の3ヶ所を巡回します。
よろしければご覧になってみてください。

第一期
2015年3月25日(水)~30日
会場 coil 4
(新潟県柏崎市穂波町9-20)
11:00-18:00
※時を経てきた古道具たちと、スケッチ作品が、そっと競演。
http://blog.goo.ne.jp/coil4

第二期
2015年4月4日(土)~6日(月)
会場 atelier IMAGE(イマージュ)
(新潟県新潟市中央区西堀通5番町848-1)
10:00-18:00
※古町から少し入った、静かな界隈。
小さな公園の横のフリースペース。

第三期
2015年4月24日(金)~26日(日)
会場 町屋交流館「高田小町」ギャラリー蔵
(新潟県上越市本町6-3-4)
(24日)13:00-18:00
(25・26日)10:00-18:00
※明治の高田町屋の、内土間の先にある、小さな土蔵の中での展示。




Thursday, December 29, 2011

2010年の夏旅 19/(最終日)金沢


【2010年8月11日(水)】

 金沢駅近くの定宿にて
 今日は一日金沢で過ごして、夜にはいよいよ長岡に帰ろうと思います。


 金沢はよく訪れる町ですが、今まではわりと決まった場所しか行っていませんでした。今回はこれまで行ったことがなかった、主計町・浅野川・ひがし茶屋街あたりに行ってみようと思います。


 近江町市場で、金時草をおみやげに買いました。


 久保市乙剣宮という神社です。ここの水道を借りて新聞紙を濡らし、金時草を包みました。
 神社の裏手を下ると、主計町(かずえまち)の茶屋街と浅野川です。



 神社から主計町に下る「暗がり坂」です。細くくねって、とても雰囲気があります。



 暗がり坂の東隣りには、もう一本の「あかり坂」があります。
 あかり坂を登ってみます。



 あかり坂からの見下ろしです。どこかで三味線を稽古する音が聞こえています。
 尾張町の旦那衆が、夜に主計の茶屋街に繰り出すときに下るのが「暗がり坂」、朝に茶屋から帰ってくるのが「あかり坂」…という話だったと思います。




 主計町は、浅野川沿いに茶屋が立ち並んでいます。川沿いの通りから直行して細い路地があり、そちらは店のサービス側の通路のようです。どちらの道も歩いていて面白いです。
 数年前に浅野川が氾濫して主計町にも被害が出たと聞きました。格子の一部に新しく作られたような気配があるのは、その影響なのでしょうか。


 格子のピッチ


 中の橋から見た浅野川大橋です。すごくいい天気です。
 写真は写真として、僕の頭の中には今でもここからの光景が鮮明に残っています。天気と景色と、旅をしてきた開放感が合わさった心象風景です。



 ひがし茶屋街です。人が大勢出ています。




 「福嶋三絃店」で、三味線の体験ができるというので、入店してみました。
 教本や楽器が置いてあって、音出しができます。三味線には初めて触りました。「沖縄や奄美の三線が変化していったのが三味線だ」と小耳に挟んだことがありますが、さもありなんです。三味線のほうがサイズもずっと大きく、楽器の作りや奏法もより緻密になったという気がしました。




 休憩館やお茶屋文化館「志摩」など、何軒かの町屋の建物に入りました。通り土間や坪庭、1階のみせ廻りや踏み天井、2階からの眺めなどを体験しました。



 金沢でたっぷり過ごした後は、帰りの電車に乗ります。


 直江津駅です。ブレブレ…


 夜9時ころ、宮内(長岡市)に帰り着きました。
 当たり前ですが、アパートは真っ暗です。




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 僕はなぜ旅をしてきたのでしょうか。旅で何を得てきたのでしょうか。
 毎日の体験は、やはり断片の連続です。今回ブログにまとめようと思い、一年以上過ぎてから記録を見直しました。それらの断片にひとつの骨格を与えることはできたかなと思います。僕の現状の課題も少しはっきりした気がします。


 個人的かつ長大な記録にお付き合いいただきまして、本当に感謝いたします。もうすぐ2011年が終わり、2012年となりますが、どうか良いお年をお迎えください。ありがとうございました。




(旅に関する記事は、ラベル「2010年の夏旅」をご覧ください。)

Wednesday, December 28, 2011

2010年の夏旅 18/日本民家集落博物館


【2010年8月10日(火)】 旅の18日目

 大阪府豊中市の服部緑地内に『日本民家集落博物館』があります。
 日本各地から古民家を移築復元してあります。「日本で最初の野外博物館」でもあるようです。
 ここには奄美の高倉も展示されています。喜界島の高倉を思い出しながら、もう一度見てみようと思い、博物館を目指しました。


 入場して、さっそく高倉を見に行きました。
 喜界島で学んできた高倉の構造の基本的法則と、照らし合わせてみます。



 4本ある丸柱の足元を貫と楔で固めます。柱のうち2本の頂部に平らな梁(ムルキ)を渡し、それに直行して大根太(ココノツギ)を9本乗せます。
 この上に小屋組みが乗りますが、それに関してはまだ理解が深まっていません。(僕は高倉に限らず、木造の屋根の架け方への理解が、今はまだ浅いようです)



 下から見上げると、ココノツギが反り上がるような形に加工されているのが印象的です。特に両端の2本は、反りが大きく作られています。



 倉庫内への入り口は1か所です。主に穀類などの食料が貯蔵されたということです。床の一部を網代に編んで通風を取っています。
 出入りは一本梯子で行ないます。喜界島の友人はたしかこう言っていました。「いちどこの一本梯子を上り下りしてみたが、慣れないとたいへん怖かった」と。


 高倉の足元の空間は、人々が集い休む場所としても利用されたようです。


 そして博物館でもう一棟、印象的だったのが、「摂津能勢の民家」(大阪府)です。



 僕が建物に入って感じたのが、なぜか「モダンさ」なのです。
 モダンさの正体は、平面を長手に分割して土間を設けたことにあるようです。これは大阪と京都の境界、摂津や丹波の地方に独特の平面形式だそうです。
 平面を短手で分割して半分を土間、もう半分を田の字型の間取りで座敷などにする古民家は、これまで何度も見てきましたが、「摂津能勢の民家」はそれとはかなり違う印象です。




 建物の規模が小さいことも関係しているかもしれませんが、公的な部屋から私的な部屋までのグラデーションが、土間に沿って並び、とても明快かつ機能的な気がします。


 一般的な古民家の私的空間である「なんど」や「ねま」は、土間から一番遠い位置にあり、また他の部屋を通らずには行けないような場合が多いです。「なんど」には闇の奥を覗き込むような暗さ・妖しさを感じます。(そこがまた古民家の魅力の一つでもあるのですが)


 それに比べ、摂津能勢の民家の「なんど」は、比喩的な意味でかなり「風通しが良い」位置にあるように思えます。もっとも、この家の「なんど」には窓が作られていないようです。開口部は入り口の引き戸しかありません。通風はランマ部と軒天のすき間から取っています。「なんど」の平面上の位置づけには明瞭さを感じますが、実際の空間としては、かなり暗いもののようです。


 だいどこの一角には炉が切られています。土間側からも利用できて、使い勝手のよさそうな位置にあります。良く考えられていると思いました。


 入り口の横には縁側があります。独立してあるというより縁側が建物に組み込まれている印象で、これも計画的なモダンさを感じました。


 流しです。僕は古民家の水廻りの開口部や排水の仕方を観察するのが大好きです。



 ガイドさんと仲良くなって、資料をいろいろ見せてもらいました。「摂津能勢の民家」の元の所有者(泉さんとおっしゃいます)は、今でも正月の時季には博物館に来て、能勢地方の正月飾りを作り、民家に供えていかれるそうです。
 ガイドさんによる正月飾りのスケッチや、独自の研究資料を見せていただきました。


 日本民家集落博物館にはこの2棟の他にも、古民家が移築保存されています。全国のものがありますが、西日本の古民家が充実しているのが特徴のようです。建物名だけ書いておきます。
 ■飛騨白川の民家(岐阜県) ■日向椎葉の民家(宮崎県)
 ■信濃秋山の民家(長野県) ■大和十津川の民家(奈良県)
 ■南部の民家(岩手県) ■越前敦賀の民家(福井県)
 ■小豆島の農村歌舞伎舞台(香川県)
 ■河内布施の長屋門(大阪府) ■堂島の米蔵(大阪府)
 ■堺の風車(大阪府) ■北河内の茶室(大阪府)
この他に、木製の刳り舟の展示や、民具の展示館もあります。



 さてその後は大阪駅に戻り、日本海側まで出る電車に乗りました。




 敦賀と福井で乗り換えて、金沢に着きました。今日はここで泊まります。明日は金沢で過ごした後、いよいよ長岡に帰ります。


 旅の最後の夜ということで、あまりお金のことを考えずに飲み食いしようと思いました。金沢の居酒屋で、豪儀に食事しました。一番おいしかったのが、金時草(きんじそう)のおひたし。
 居酒屋のご主人に「北陸新幹線の開通を楽しみにされているんじゃないですか」と聞いたら、「それは逆。首都圏から日帰り圏内になるので、ビジネス客もみな日帰りする。そうするとウチのような飲食業は、あがったりですよ。」と言われたことを、よく覚えています。




(旅に関する記事は、ラベル「2010年の夏旅」をご覧ください。)